2007-08-25から1日間の記事一覧

後藤明生 『日本近代文学との戦い』(柳原出版)

表紙自体に遺稿集の文字はないが遺稿集。四十歳前後の写真しか見たことがなかったので、巻頭に付されたいかにも老人めいた晩年の写真を見て、こりゃ確かに晩年だわ、と変に納得するところがあった。しかし文章自体には晩年にあるという印象はまったくない。…

後藤明生 『円と楕円の世界』(河出書房新社)

後藤明生初のエッセー集。小説以外の文章を「エッセー」という言葉でひとくくりにしてしまうのは乱暴なような気がするのだけど、他に適切な言葉も思い浮かばない。 「楕円」というのは自分と他者と二つの中心により世界を認識しようとする後藤明生が武田泰淳…

不振が不審だ

食欲不振で冷たい麺類(ソーメン、ソバ、ウドン、冷し中華)ばかり食べているというのに、しばしば「何か美味いもんが食べたいなぁ」と思う。至極漠然として「美味いもん」であって、具体的に何か料理を思い浮かべると「ああ、でも食べる気せーへんし、今日…