進化した猿たち

テレビで映画『海猿』を見る。ロケ地である呉市の風景がよいなぁなどと思いつつ、物語に没入できずにいて、チビノリダーであった人が死んでしまったところで興味を逸してしまい、テレビはつけっ放しにして、読みかけの本を読むのに戻った。音声だけ何とはなしに聞きつつ、クライマックスらしいので、最後のところだけちょっと見るといういやらしいことをしたら、伊藤英明加藤あいに会いにいく最後のシーンが何故だかお茶の水で、「あ、ここはお茶の水だ!」と、わかったことが、嬉しかったりした。
上京した際、後藤明生の『挟み撃ち』の舞台だからと、人に連れてきてもらったのはもう一年近く前のことで、そこから見える神田川沿いのJR総武線には、それよりさらに数年前に別の知人と乗っていたことがあった。建築家志望であったその知人に、関東大震災後に架けられた有名な橋だよと神田川をまたぐ聖橋を紹介され、その一年後くらいに読んだ『挟み撃ち』のラストで、「この橋の向うにもう一つ橋があって、ドームのようだ。あの橋は、何橋だろうか?」といわれている橋が、聖橋だとすぐわかり、この時も少し嬉しかった。ようするに僕はただのミーハーなのだ。ミーハーとは「みいちゃんはあちゃん」の略であるらしい。何でそれがミーハーという意味を持ちそう縮まったかは、ミーハーである僕は知らないでいる。

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