2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧

星野之宣 『2001夜物語(1〜3)』(双葉文庫)

『銀の三角』を探していたら、代わりに『2001夜物語』が出てきたので、久しぶりに読む。 なんど読んでも第8夜「悪魔の星」での『失楽園』とのコラボに痺れるし、最終夜での「同じロビンソンなんだ! 同じなんだよっ」に泣ける。2001夜物語 (1) (双葉文庫―名…

失われたラジオを求めて(いたら石に躓いた)

ポータブルラジオ*1をどこかにやってしまって探していると、子どもの頃、鉱石ラジオに興味が持っていた時期があったのを思い出し、探すのを止め作り方を調べていたりしたのだけれど、いつの間にか、ラジオの方はどうでもよくなってしまって、鉱石のほうに興…

マルセル・プルースト/鈴木道彦訳 『失われた時を求めて 1 第一篇 スワン家の方へⅠ』(集英社文庫)

のべ2週間かけて読み終える。これでやっとこさ十三分の一。 もっと過去と現在が複雑に交錯するのかと思っていたのだけれど、それほど複雑さはなく、主に幼年時代のことなので共感することも多く、冗長さもさほど感じなかった。しかし、これから巻が進んで、…

田中小実昌 『ポロポロ』(中公文庫)

田中小実昌はチャンドラーの訳者としてしか知らなかったのだけれど、『ポロポロ』はなんだか凄い、という評判をどこぞで小耳に挟み読んでみたら、なんだか凄かった。 ストーリーらしいストーリーはなく、入隊後五日で中国戦線に連れて行かれ、アメーバ赤痢に…

吉行淳之介 『夕暮まで』(新潮文庫)

初淳之介。吉行淳之介はもっとドロドロとしていると勝手に思っていたのだけれど、意外とサラサラとしていて、川端康成に近いような気がしたりしたのだけれど、川端康成もロクに読んでいないので、この印象が正しいかどうかはわからない。次は作中作があると…

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吉行淳之介 『夕暮れまで』(新潮文庫) 吉行淳之介 『自家謹製 小説読本』(集英社文庫) アーヴィング/平沼孝之訳 『アルハンブラ物語(上下)』(岩波文庫) 今月は冊数的にも金額的にもちと本を買いすぎた。今月はこれで打ち止めにするつもり。

藤枝静男 『犬の血』(文藝春秋新社)

藤枝静男処女小説集。収録作のうち、『イペリット眼』は『凶徒津田三蔵』に、『文平と卓と僕』『家族歴』『路』の三編は『ヤゴの分際』に収録されているので、未読だったのは『犬の血』『痩我慢の説』『龍の昇天と河童の墜落』の三編のみ。この時期の作品に…

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藤枝静男 『犬の血』(文藝春秋新社) ネット古書店で購入。 伊藤整 『イカルス失墜』(新潮文庫) 大岡昇平 『無罪』(新潮文庫) 小野不由美 『東亰異聞』(新潮文庫) 高橋源一郎 『さよなら、ギャングたち』(講談社文庫)

竹内薫 茂木健一郎 『脳のからくり』(新潮文庫)

改めて平易に解説されると、「ああ、知っているなぁ」と思うことが大半だったのだけれど、単に知っているのと理解しているのとはまた違うことで、知っていることの多くが、知識として定着していないことに気づかされた。脳のからくり (新潮文庫)作者: 竹内薫…

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畑山博 『「銀河鉄道の夜」探検ブック』(文春文庫) 竹内薫 茂木健一郎 『脳のからくり』(新潮文庫) プルースト/鈴木道彦訳 『失われた時を求めて 5 第三編 ゲルマントの方Ⅰ』(集英社文庫) プルースト/鈴木道彦訳 『失われた時を求めて 6 第三編 ゲル…

アンドレ・ジイド/山内義雄訳 『贋金つくり(下)』(新潮文庫)

297頁から始まったので驚いた。下巻ではついに鬼畜エドゥワールがオリヴィエくんを毒牙にかけてしまう。ジョルジュくんも狙われちゃうし、さいごにはベルナールの弟カルーブくんにまで興味を示すのだから、朴念仁のふりしてなかなかそっち方面は如在ないエド…

小さな靴

若い母親に連れられた幼い娘が、突然工事用フェンスの方を指さして何事かいったのだけれど、「ああ、もうまたうるさぁゆうて」と引っ張られていくところに出くわして、一体なにがあったのだろう、と見てみると、小さな靴がフェンスに引っ掛かっていたのだっ…

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マルセル・プルースト/鈴木道彦訳 『失われた時を求めて 1 第一篇 スワン家の方へⅠ』(集英社文庫) 文庫本にして全13巻という長大さに、そのうち読みたくあるが、多分一生読まないんじゃないだろうか、と思っていたのだけれど、ある日突然(正確には昨日の…

アンドレ・ジイド/山内義雄訳 『贋金つくり(上)』(新潮文庫)

お昼のメロドラマ的に人物関係が入り組んでいて、思っていたよりずっと通俗的要素が強く、同性愛の気配に満ちていたりした。作中エドゥワールが語る純粋小説はもとから不可能なものとして語られていて、エドゥワールが書こうとしている純粋小説「贋金つくり…

おめでとうございます。

ふと気がつくと、今日は僕のお誕生日なのでありました。

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アンドレ・ジイド/山内義雄訳 『贋金つくり(上下)』(新潮文庫) K・アン・ポーター/工藤昭雄 『愚者の船(上下)』(河出書房) ネット古書店で購入。 ジイドは、ジッドだったりジードだったりほんと困っちゃうね。 『愚者の船』は『巨船ベラス・レトラ…

高橋源一郎 『虹の彼方に』(新潮文庫)

単にわかるわからないでいえば、ちらりと読み始めて数ページで頓挫したままの『響きと怒り』より、こちらのほうが断然わからないのではないか、と思いつつ最後まで読むと、なんだかわかったようなつもりにはなって、なんだかよくわからない切実な読後感が残…

筒井康隆 『小説のゆくえ』(中公文庫)

「現代世界と文学のゆくえ」に書かれていることが、ほとんどそのまま『巨船ベラス・レトラス』に書かれいてることだったので驚いた。恐ろしきシンクロニシティ! というのは冗談として、つまり『巨船ベレス・レトラス』は「現代世界と文学のゆくえ」を準拠枠…

ペコちゃんの日

一応選挙権があるので、選挙に行ってきた。 小学校の体育館を小さく区切った会場には、両脇にそれぞれ四、五名の選挙管理人だかなんだかがいるだけで、投票者は誰もおらず、狭い空間の中央に、ぽつねんと置かれた投票箱がどこか寂しげで、なんとも侘びしい光…

なぜ今竹宮惠子なのか

なんか『地球へ…』っぽいアニメがやってるなぁと思ったら、まさに『地球へ…』だった。『地球へ…』は一度アニメ化されてるんだから、どうせだったら『スター・レッド』やってくんないかなぁと思う。 一番好きな萩尾望都漫画は『銀の三角』なんだけど、これは…

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筒井康隆 『小説のゆくえ』(中公文庫) 本当は先日文庫化されたはずの『ヘル』が読みたかったのだが、うちの近くの本屋ではことごとく置いていなかった。文庫からされてから店頭で見た記憶がなく、やはりテンプル騎士団が僕の欲しい本を隠して回っているの…

北浜邦夫 『ヒトはなぜ、夢を見るのか』(文春新書)

先日読んだ『夢を見る脳』もそうだったのだけれど、夢そのものよりも睡眠に関しての記述のほうが多い。夢に関する研究はさほど進んでいないようで、夢をみる生理的メカニズムはだいぶわかっていても、なぜ夢をみる必要があるのかや、夢の内容に関してはまだ…

昨日の購入

谷川俊太郎訳 和田誠絵 『マザー・グース(1〜4)』 H・ジェイムズ/西川正身訳 『デイジー・ミラー』(新潮文庫) チェーホフ/神西清訳 『かもめ・ワーニャ伯父さん』(新潮文庫) 各105円。 ジェフリー・アーチャー/永井淳訳 『百万ドルをとり返せ!』(…

筒井康隆 『巨船ベラス・レトラス』(文藝春秋)

珍しく新刊の感想を書くのでこれから読もうという方はご注意を。 作者インタビューによると「ベラス・レトラス」とはスペイン語で文学、あるいは純文学を意味するらしい。帯には「現代日本文学の状況を鋭く衝く戦慄の問題作」とある。なるほど、そうかと思い…

本日の購入

北浜邦夫 『ヒトはなぜ、夢を見るのか』(文春新書) 筒井康隆 『巨船ベラス・レトラス』(文藝春秋) フォークナー/平石貴樹 新納卓也訳 『響きと怒り(上下)』(岩波文庫) 探し方がわるかったのかもしれないが、自己啓発書まがいの夢占いの類ばかりで、…

お花見

数年ぶりに堂島アバンザのジュンク堂へ。出来たときは関西最大級という触れ込みだったけれど、今でもそうなんだろうか。 本の迷宮に彷徨いながら、地元の本屋にケチをつけつつ、あまり大きな本屋にいかないのは、欲しい本読みたい本が山ほどあって困るからだ…