女性警察官

帰り道、スラリと背が高く奇麗な顔をした、まるでモデルのような婦警さんを見かける。制服がスカートでなくて、ズボンだったのが残念でならぬなどと思ったりする。おばちゃんになるほどスカート着用率が高いように思う。
もう何年も前の高校三年の時に、友人と二人観光がてら京都の大学の願書を貰って歩いたことがあった。北は北大路通りの大谷大学からはじまって、南は七条通りの龍谷大学大宮学舎まで行ったのだから、京都市内を大きく蛇行しながら南北に横断したということになる。その途中の、あれはどこら辺だったのか思い出せないのだけど、ある交番の前にこれも奇麗な婦警さんが立っていて、二人して二度三度行きつ戻りつし、「さすが京都の婦警さんは別嬪さんやなぁ」「ホンマやねぇ。逮捕されちゃいたいぐらいやねぇ」「逮捕どすえぇ。とかいいよるんちゃうか」「それは流石にあらへんでぇキミ」「ほな、逮捕しますよってに。とかか」「なんやねんそれは」などと馬鹿な会話を交わした。そんなことを不意に思い出したりした。結局その年は二人とも受験に失敗し、次の年にそれぞれ違う大学に進学して、それからは音沙汰なしとなった。今はどこでどうしているのかはまるで知らない。