再開予告日記

日記を突然途絶して早二週間となってしまった。一端途切れるとズルズルといつまでも途切れてしまうのが昔からの悪い癖で、一週間前ほどからそろそろ何ぞ書きつけておこうと思いながら、何時の間にか二週間も経ってしまっていた。とはいってもここは基本的に読んだ本をメモしておくところなので、更新しなくたって、さしたる支障があるわけではない。
この間読んでいたのは日本文學全集の尾崎一雄と、石川淳『狂風日記』、梅田で映画を見た帰りにかっぱ横町で買ってきた『断腸亭日乗』ぐらい。『断腸亭日乗』 は岩波文庫版の上下巻にわかれたもので、日米開戦の前後あたりから読み始め、あちこち行ったりきたりしながら下巻を読み終わり、今は上巻を読んでいる。それ以外では立ち読みでほとんど全部読んでしまった高峰秀子のエッセー集が面白かった。臆面もなく自分のことを人気女優と書けるのはなるほど確かに人気女優だったからで、世代が違う僕でも『二十四の瞳』と『カルメン故郷に帰る』とを見た記憶がある。R・田中一郎の妹がR・デコだから名前を覚えていたのだという話も今はもう世代違いかもしれない。世代違いなんて言い出すと、このところ僕が読んでいる本の類は一体なんなのだということになるのだけれど、新潮文庫とかでもっと気軽に読めてもいいんではないかと思うことしきりで、藤枝静男後藤明生などをかっぱ横町で探してみたのだけれど、お盆休みでニ三軒休みだったこともあって収穫は皆無だった。神田神保町に行きたしと思うも、銭はなし。喰うもの着るものなど粗末でよいから、本を買う金だけは無尽蔵にあればよいと相変らずそんなことを思う。