中央図書館

大阪府立中央図書館に行く。最寄り駅の荒本駅までだと六百七十円もかかるが、一駅前の長田までだと四百八十円で済むので、一駅歩くことにした。一区間で百九十円も運賃があがるのは長田から地下鉄が近鉄けいはんな線に乗り入れる為。それにしても普段、JR京都線で大阪まで出るか、阪急京都線河原町まで行くかするのがせいぜいな僕にとっては、新大阪から御堂筋線、本町から中央線と、二つ乗り換えるだけなのに随分と心細いものがあって、路線図を眺めただけで目が眩み、大阪の地下鉄事情は複雑怪奇だと思う。
そうしてようやっと辿り着いた中央図書館は期待に違わぬもので、いくつか蔵書検索をしてみたところ、地元の図書館ではせいぜい五冊程度すら引っかからないのが、百冊以上ずらずらと表示されたりして、思わず、うひゃーと間抜けな声を出しそうになる。伊達に中央などと冠していない。ひょこっとしたらと思い、検索してみた立花種久も、小説集は全部揃っていて、またもおったまげる。借りたかった小島信夫の『別れる理由』はいざとなると上中下三分冊であるのにビビってしまって結局借りず。代わりに借りた後藤明生の『壁の中』にしても二段組で、五百ページを超えるのだから十分長大なのだけれど。