川上弘美 『蛇を踏む』

1996年の第115回芥川賞受賞作品。奇しくも昨日読んだ石川淳の『普賢』が、その丁度六十年前の1936年、第4回芥川賞受賞作品だった。後藤明生を平行して読んでいたのだけれど、その後藤明生は、四度芥川賞候補にあがり、四度とも受賞を逃がしていたりする。何やら芥川賞づいて、改めて読んだことのある芥川賞受賞作品を数えてみたら、『蛇を踏む』『普賢』を含め四作しかなかった。残り二作は安部公房の『壁』と、日野啓三の『あの夕陽』。ということは、ここ数日で、読んだことのある芥川賞受賞作品は一挙に倍なったということになり、とても目出度い。
ついでに、第133回芥川賞候補作を見てみたりした。どれも読んだことがないどころかどの作者もまるで知らなかった。不勉強でいけないと思うも、別に試験があるわけじゃないんだし、別にかまいはしないかと思った。『蛇を踏む』の感想を一言も書いていない。