立ち読んだり、買ったり。

10月で閉店する丸善で、尾崎一雄『暢気眼鏡・虫のいろいろ』(岩波文庫)を、ブックファーストでスティーヴ・エリクソン/柴田元幸訳『黒い時計の旅』(白水uブックス)を買う。
尾崎一雄の嫁の芳兵衛こと芳枝さんは日本文学史上最大の萌えキャラであると思う。萌えという概念を未だによくわかっていないのだけどたぶんそうだと思う。『黒い時計の旅』の方は、柴田元幸が翻訳をしていて、

仮にドイツが戦争に敗けずに、ヒトラーが死んでいなかったら……
瞠目すべき幻視力で描きだされる、ねじれた20世紀

なんて紹介されているのだからこれはもう買うしかない。
とはいうものの、レジに持っていって「1200円です」なんていわれると、「900円くらいにまかりませんかね」と思ってしまう。

黒い時計の旅 (白水uブックス)

黒い時計の旅 (白水uブックス)

珍しく新刊本を買ったので、書影を挿入してみたりする。


本多秋五『物語 戦後文学史(上) 』(岩波文庫)を少し立ち読みする。最初のあたりを少し読んだだけなのだけど、志賀直哉に原稿を請いにいく様子が楽しく、藤枝静男の名前もちゃんと出てきて思わずニンマリしてしまったので、いずれ買ってちゃんと読みたいと思う。
いずれ買いたい本をはとっくに100冊を超えていて、そのうち実際に買った本はわずかしかないのだけれど、あくまで、いずれであって、いつまでと区切っていないのだから、いずれ買えばそれでよいのだ。