スティーヴ・エリクソン『黒い時計の旅』

一気呵成に読了。読書量が落ちているなかで、二日で読めてしまったのだから、それくらい面白かったというのは確かなのだけど、当初思っていたよりも二つの二十世紀の関わりが単純で、若干の物足りなさを覚えた。もっと複雑に入り組んでいて欲しい。読みながら、アラン・ロブ=グリエの『反復』やウンベルト・エーコの『前日島』を思い出したりして、あまり似ているわけではないのだけれど、それらの方が僕の好みにあうということはアメリカ的な要素が気にいらないということがあるのかもしれない。よくわからない。とても面白かったけれど、物凄く面白くはなかったという贅沢な話。