後藤明生 『酒 猫 人間』(立風書房)
とくにどうということのない雑談めいたエッセー集。
以前読んだ文庫版『笑い地獄』の解説を種村季弘が書いていて、ちょっと不思議に思っていたのだけれど、なんてことはない、後藤明生と種村季弘は古い飲み仲間だったのだ。
同人誌『犀』の顧問をしていた藤枝静男は同人仲間から「長老」と呼ばれていたらしい。確かにいかにも長老っぽい。
後藤明生が監督を務める草野球チームの面子がなかなか豪華。安岡章太郎、古山高麗雄、田久保英夫、高井有一、柏原兵三、李恢成、宮原昭夫、佐木隆三、立松和平、三室源治、岡田睦、古井由吉、黒井千次、坂上弘、阿部昭、日野啓三、高橋三千綱、尾高修也といった面々。正直にいうと半分くらいの人は知らない。そのチーム名が先日見たばかりの『キングコングス』であるのは勿論ただの偶然である。