アイザック・アシモフ/岡部宏之訳 『ファウンデーション対帝国』(ハヤカワ文庫)

シリーズ二作目。小刻みに年代を刻んでいた一作目と異なり今回は二部構成。第二部の『ザ・ミュール』は完全にミステリの手法で書かれていて、探偵役すら登場する。
武力衝突を徹底的に避けていた一作目とは異なり本作では戦争が起こってしまうのだが、戦闘シーンはまるきり描かれておらず若干もどかしさを感じ、のちにスペースオペラというジャンルが登場するのはアシモフが戦闘シーンを徹底して描かなかったからではないかなどと思うのだけれど、その辺の事情はよく知らないのでわからない*1銀河帝国という広大な舞台を用意しながら、それを描くのに、本来一個人の殺害を描くためのミステリという手法が用いられているのには注目すべきかもしれない。
まぁ、そんなことはともかくとして今回も楽しく読めたので続刊も早急に手に入れたいと思う。手っ取り早く定価で買ってしまおうか。

*1:と思ったのだけれど、スペースオペラという言葉は、必ずしも「宇宙を舞台にした活劇」を意味せずアシモフ以前からあった言葉だということをはてなキーワードで知る。よく知らないことをよく知らないままで書いてはいけないという教訓。