澁澤龍彦『胡桃の中の世界』(河出文庫)

高校の頃にほとんど小説を読まない時期があって、その頃によく読んでいたのが澁澤龍彦であったり、種村季弘であったり、少し毛色は違うが阿部謹也であったりした。現在の僕の嗜好はそういったあやしげなもの、あからさまに奇妙なものから徐々に離れていっていて、日常のなかにわずかに潜む非日常とでもいうべきものに向かっているのだけれど、やはり原点の一つではあって、心強く惹かれるものがある。ピラネージの画集などあれば欲しいところだと思い少し調べてみたところ、ピラネージ版画データベースなる凄いところがあった。