ペコちゃんの日

一応選挙権があるので、選挙に行ってきた。
小学校の体育館を小さく区切った会場には、両脇にそれぞれ四、五名の選挙管理人だかなんだかがいるだけで、投票者は誰もおらず、狭い空間の中央に、ぽつねんと置かれた投票箱がどこか寂しげで、なんとも侘びしい光景だったのだけれども、ともかくその寂しげな投票箱に一枚の紙切れを入れて、選挙に参加したという実感もないままに、夕飯の買い物に出かけた。
途中この前から営業を再開した不二家の前を通りかかって、陳列された商品にぐるりと囲まれて、どこか途方に暮れたような女店員がいるのが見えた。それが何故だか先程の選挙会場の様子と重なって、同情なのかなんなのか、なんだかこのまま通りすぎれない気がして、やや迷いつつも店にはいると、憂鬱そうだった店員の顔に一瞬笑みがさして、その笑顔が結構可愛かったりしたもんだから、調子にのって、「ペコちゃんのほっぺ」というなんだかよくわからないお菓子を五つも買ってしまった。商品を手渡してくれるときの笑顔もまた可愛かった。
「ペコちゃんのほっぺ」は案外と美味しかったので、また買いに行きたいと思う。