アンドレ・ジイド/山内義雄訳 『贋金つくり(上)』(新潮文庫)

お昼のメロドラマ的に人物関係が入り組んでいて、思っていたよりずっと通俗的要素が強く、同性愛の気配に満ちていたりした。作中エドゥワールが語る純粋小説はもとから不可能なものとして語られていて、エドゥワールが書こうとしている純粋小説「贋金つくり」は、完成することはないだろうと思うのだけれど、どうなんだろうか。