アイザック・アシモフ/岡部宏之訳 『ファウンデーション 銀河帝国興亡史1』(ハヤカワ文庫)

id:kbehindさんがアイザック・アシモフの『夜明けのロボット』を読んでおられるのでざっと読み返してみたら、ファウンデーションシリーズを全く読んでいなかったことに気づき、本棚を探してみたところ一冊だけ持っていた。もう少しシリーズを揃えてから読もうと思っているうちにすっかり忘れていたのだった。
銀河帝国興亡史」なんていうサブタイトルがついているからスペースオペラの原型のようなものかと思っていたのだけれど、まるでそうではなくて、派手なドンパチは一切なく幾度となくファウンデーションを襲う危機は全て暴力なしで解決される。しかも心理歴史学というシリーズの根幹をなす未来科学以外はSF的ガジェットが殆ど登場しないので、半世紀以上前に書かれたものだというのにまるで古びていない。それにしてもアシモフは本質的にはミステリ作家だったのではないかと思わせるほど問題の解決方法がミステリっぽく感じたのだけれど、ちらりと続刊の紹介を見たところ今後益々ミステリ色が濃くなっていくそうで何だか楽しくなってしまった。続きも早急に手に入れようと思う。