アイザック・アシモフ/福島正実訳 『鋼鉄都市』(ハヤカワ文庫)

イライジャ・ベイリとロボットのR・ダニール・オリヴォーのコンビが活躍するSFミステリの第一弾。物証も裏づけもなくほとんど当てずっぽうのような推理を展開し誤った犯人を告発することを繰り返す探偵役イライジャ・ベイリはおよそ刑事らしからぬように思うのだけれど、一つの事件からいくつもの解答を引き出し試行錯誤しながらその齟齬を埋め、ついには真相に到るというこの形式は大変好きな形式であるので、いいぞイライジャもっとやれ! と思うのだった。
当初思っていたほどロボット三原則が活用されていなかったのはちと残念。