本日の読書

宇野浩二 『蔵の中』(『里見紝 宇野浩二集 日本文學全集 21』)
後藤明生の『十七枚の写真』で、宇野浩二のことが出てきたので引っ張り出してきて読み返してみたところ、これはまるで後藤明生のアミダクジ式そのものではないか、と思う。以前この『蔵の中』を読んだとき、すでに後藤明生を読んでいたかどうか、少なくともこの時、宇野浩二をちらりと読んだのは、後藤明生が度々言及しているからではなくて、内田百間の『山高帽子』や芥川龍之介の『或阿呆の一生』に出てくる芥川の精神病院にはいった友人というのが、この宇野浩二であったからだった。この時、これはアミダクジ式そのものじゃないか、と思った記憶はないから、後藤明生を読む前だったのかもしれず、あるいはいい加減に読み飛ばしただけだったのかもしれない。