竹本健治 『妖霧の舌』(光文社文庫)

久しぶりの竹本健治。あっという間に読了。
牧場智久&武藤類子シリーズの二作目ということになるのだが、牧場智久はゲーム三部作そのほかで探偵役を務めていて、武藤類子も『殺人ライブへようこそ』に登場している。それぞれ出版社が異なるのがややこしいところ。書かれたのは一九九二年なので十年以上も前なのだけれど、パソコン通信、オタク、オフ会、ロリコンやおい等の言葉が頻出していて、非常に現代的なテーマを扱っているといえるかもしれない。作中のオタクたちの描写がやけにリアルに思えたが、単に僕のなかにあるオタク像が類型的なだけかもしれない。裏表紙には「驚愕の本格推理!」とあるが、さほど本格ではなかった。