『エコール』(2004/ルシール・アザリロヴィック監督)

運び込まれた棺桶のまわりを少女の白い脚が次々に取り囲んでいく最初のシーンこそエロを感じたが、その後は、時に露骨に少女の裸を映し出したりしつつも、エロに至るのを周到に回避しているかのように思えた。萩尾望都ギムナジウムものを想起したりもしたけれど、同性愛的要素も特に感じなかった。ルシール・アザリロヴィック監督のパートナーであるギャスパー・ノエの『カルネ』『カノン』にあるようなエゲツナさを期待していた僕としては多少肩すかしではあったけれど、素朴な美しさのあるファンタジー映画として楽しめた。