内田百間 『第二阿房列車』(新潮文庫)

すっかり阿房列車めいてしまって、『第二阿房列車』を読み終え、引き続き『第三阿房列車』と『南蛮阿房第二列車』を読み進めている。自然読み比べるような恰好になって、やっぱり内田百間*1 のほうが面白いなぁと思ってしまうのはなんだか阿川弘之に申し訳ない。それにしても内田百間のユーモアは独特で、読者を楽しませよう、笑わせようとする下心のようなものがまるでないのに面白い。偉大なる滑稽さ、神経質な尊大さとでもいうべきものがあって、余人の追随を許さない文章世界がある。しかし、阿房列車の旅には、ヒラヤマ山系くんのお供が必要不可欠である。
ヒラヤマ山系くんは平山三郎で、見送亭夢袋さんは中村武志であるということを備忘録として書き加えておく、と書こうとして「ぼうびろく」と打って「忘備録」と変換されず、はてな? と思ったら、「忘備録(ぼうびろく)」でなく、「備忘録(びぼうろく)」なのであった。今までずっと間違えていた。

第二阿房列車 (新潮文庫)

第二阿房列車 (新潮文庫)

*1:もんがまえに月の「けん」は機種依存文字だそうなので「百間」と表記する。