ウィリアム・ゴールディング/平井正穂訳 『蠅の王』(集英社文庫)

昨晩寝る前に少し読み始めると、思いのほか面白くて一気呵成に読了してしまう。お陰で寝不足。中学の頃に読んでいれば、確実にトラウマ児童文学の系譜に連なったこと間違いなしなのだけれど、随所に詩的で豊饒な描写があって、陰惨なはずの場面も非常に美しく描かれていて、少年期の無垢と危うさの同居が見事に活写されているように思う。久しぶりに大きく心動かされた。