野矢茂樹 『哲学の謎』(講談社現代新書)

「意識と実在」の問題や「時の流れとは?」といった根源的な問いかけと思索が平易な言葉でなされているのだけど、どうせならば、「明確な答えがあるわけでないことを直感しながら、何故形而上学的な問いかけを人は行ってしまうのか」ということも考察して欲しかった。あと意図的に省いたと明記されているのだけれど、それぞれの議論がどのような哲学史的変遷を経ているのか、ちらっとでいいから注記されていれば、ガイドブック的な役にも立ったと思う。