『serial experiments lain』第六話〜第十三話

第九話の情報過多に脳味噌が焦げ付いてしまったりする。
ヴァネヴァー・ブッシュの原始ハイパーテキストシステム「Memex」にはじまり、テッド・ネルソンの「ザナドゥ計画」、ジョン・C・リリーの「地球暗合制御局」、シューマン共鳴や、地球が一つの巨大なニューラル・ネットワークと化すというピーター・ラッセルの説、どれも興味深いものばかりであるけれど、wikipediaでちょっと調べた程度では理解は覚束ない(結局作中で述べられている程度のことしかwikipediaには載ってないわけだし)が、まあこういったことが下地としてありますよーという程度の理解でいえば、『lain』世界のワイヤードは、現行のwwwとはまた違ったネットワークであり、英利政美により第七世代プロトコルシューマン共鳴の因子を埋め込まれ*1、単なる物理的ネットワーク以上のものへと変貌する余地が元からあったということでええんだろうか。インターネットを利用するようになってもう何年にもなるのに、一体どういった仕組みでパソコンがネットワークに繋がり情報が流れているのか、ほとんどわかっていない。
最終話はいささか予定調和的であるものの、ワイヤードはリアルワールドの上位システムではないとするならば、英利政美に代わる新しい神様ともいえる「玲音」の存在を否定せざるを得ないのしかたがないと思うのだが、そのために「玲音」がするのは新たな「天地創造」に他ならなず、神様であることをやめるために、神様にしか為し得ない行為を持ってするというのはなんとも切ない。


作品を離れた感想も色々あるのだけれど、一つあげるとすれば、現在のインターネットの世界なんてものはまだまだ発展途上の過渡期的なものに過ぎず、何十年化後に振り返ってみると原始的にすら思えるものなんだろうなあということ。
あと色々勉強しないとわからんことだらけですがなということ。

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*1:この辺り『機動警察パトレイバー the Movie』の帆場英一の企みと似ている。偽の神であることを自覚していた帆場と、神になろうとした英利とでは方向性はまるで違うといえば違うけど。