天沢退二郎 『オレンジ党、海へ』(筑摩書房)

『オレンジ党と黒い釜』、『魔の沼』と続いた「オレンジ党」シリーズ(一応の)完結編。地元の図書館には『魔の沼』までしか置いてないので子どもの頃にも読んでいないはず。あるいは小学校の図書館で借りて読んでいたかもしれないが、記憶は定かじゃない。
日常の中に非日常が入り込み、夢と現実が錯綜する、と書くとなんだかよくある幻想文学みたいだけど、天沢退二郎の場合、特異性が強く、類を見ない独特の世界であると思う。運動会の玉入れにカモメが紛れ込むところなんてなかなか凄い。
手元に揃えておきたいシリーズで、復刊ドットコムのおかげで入手困難ではなくなんってるんだけど、お値段がちょっと高いんだよなー。続編が執筆されるという話もどこかで読んだ記憶があるのだけど、結局どうなったんだろう。

オレンジ党、海へ (fukkan.com)

オレンジ党、海へ (fukkan.com)