本日の読書

後藤明生 『壁の中』(中央公論社)357/566。
立花種久 『地図売り』(『喪われた町』れんが書房新社)
『壁の中』は快調に読み進んで、第一部を読み終え、永井荷風との対話が始まる第二部にはいった。とても面白いのだけれどわけはわからない。第一部の「M君」とは後藤「明生(MEISEI)」の「M」だろうか。分裂した作者自身でもある語り手が、書き手である作者宛に手紙を書き綴っているということか。だとすれば当然投函される必要はないわけだ。そうすると小文字の「m」である森野宮子はどうなるのか。これもまた作者自身であるのか。「宮子」は引っくり返すと「子宮」になる。いやいや、ちっともわかりはしない。