川端康成 『眠れる美女』(新潮文庫)

三島由紀夫が「観念的淫蕩の極致」と呼ぶ『眠れる美女』も良かったのだけれど、「片腕を一晩お貸ししてもいいわ。」と、ポンと片腕を外してしまう『片腕』が大変美味であった。今まで川端康成をほとんど読んだことがなかったのは実に迂闊なことだと思う。