P・D・ジェイムズ/青木久惠訳 『人類の子供たち』(ハヤカワ文庫)11/6読了。

近未来を舞台としながら、主人公セオの子供時代(=近過去)を導入に待ってくるのが上手い。「The Children of Men」という原題は聖書っぽいと思い調べてみたら、「エホバ降臨(くだ)りて彼人衆(かのひとびと)の建つる邑と塔を 觀給へり」の「人衆」が「The Children of Men」だった。確かに旧約から新約への流れに沿って物語が組みたてられている。キリストを表す「人の子」は「Son of Man」だった。
SFとして読むと騙されるので、P・D・ジェイムズファンが読むのが良いと思う。

トゥモロー・ワールド (ハヤカワ・ミステリ文庫)

トゥモロー・ワールド (ハヤカワ・ミステリ文庫)

くどいようだけれど、「トゥモロー・ワールド」より「人類の子供たち」というタイトルのほうが断然良い。