中村真一郎 「小説の方法 ―私と『二十世紀小説』―」(集英社)

概論的なものでなくて、作家である中村真一郎自身の方法の模索の解説のようなもので、作者自身の読書体験記のようであり、読みやすく取っつきやすかった。フランス現代文学史のような側面もあって、フローベールの文体は「描写」であり、スタンダールは「分析」だといわれると、成る程そうか、と思いはするが、今まで名前も知らなかった作家について、読んでるときにはなんとなくわかったようなつもりになっても、読み終えた今となっては、名前も思い出せなかったりするので、めんどくさがらずノートにでもまとめてみようと思う。