フォークナー/平石貴樹 新納卓也訳 『響きと怒り(下)』(岩波文庫)

傑作。前衛的な語りの手法と高い物語性が見事に融和していて、ガルシア・マルケス中上健次の痕跡を見いだせたのも楽しかった。
懇切丁寧な訳注(場面転換表、主要出来事年表、コンプソン家見取り図など盛り沢山)のおかげで難解さがだいぶ緩和されているのだけれど、これはやはり善し悪しあって、訳注は一切見ないで読んだほうがよかったかもしれないと多少後悔している。

響きと怒り (下) (岩波文庫)

響きと怒り (下) (岩波文庫)