後藤明生 『眠り男の目』(インタナル出版)

追分での『挾み撃ち』執筆の様子をつづった「作家ノート」。作者自身も書いている通り創作ノートではなくて、生活雑記のようになっている。小説が随筆に近づいている作家は結構いるが(私小説家の晩年など特にその傾向がある)、後藤明生の場合、エッセーが小説に近づいていくようで、高校野球や按摩に関する記述は、小説さながらにアミダクジ式に脱線していって面白い。

眠り男の目―追分だより (1975年)

眠り男の目―追分だより (1975年)