2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

鳥居鎮夫 『夢を見る脳 脳生理学からのアプローチ』(中公新書)

いささか古い本なので最新の研究ではどうなっているのかわからないのだけれど、夢に関して疑問に思っていたことのいくつかが解明した。まだまだ興味はつきないので他にも色々読んでいきたい。

古井由吉 『夜はいま』(福武書店)

読み残していた二編を読了。内向の果てにつるっと世界が裏返るかのような感覚が楽しい。幻想小説を読む感覚で読んでも十分楽しいと思うのだけれどどうだろうか。

鑪幹八郎 『夢分析入門』(創元社)

僕の夢への興味の持ち方は、どちらかといえば脳生理学的な興味の持ち方だと思うのだけれど、フロイトやユングを無視して通りすぎるわけにはいかないだろうから読んでみた。いろいろな夢分析の方法が紹介されているが、どれも決定的でないように思え、フロイ…

ウィリアム・ゴールディング/平井正穂訳 『蠅の王』(集英社文庫)

昨晩寝る前に少し読み始めると、思いのほか面白くて一気呵成に読了してしまう。お陰で寝不足。中学の頃に読んでいれば、確実にトラウマ児童文学の系譜に連なったこと間違いなしなのだけれど、随所に詩的で豊饒な描写があって、陰惨なはずの場面も非常に美し…

本日の購入

ウィリアム・ゴールディング/平井正穂訳 『蠅の王』(集英社文庫) J.D.サリンジャー/中川敏訳 『九つの物語』(集英社文庫)

ドルチェ/優しく

島尾ミホさんの死去を知る。『死の棘日記』を読みたいと思っていたことを思い出す。ご冥福をお祈りします。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070328-00000117-mai-peo

欲しい日記

ナナオのカラーユニバーサルデザイン対応ワイドモニターが欲しい! 今使っている五年物のモニターは頻繁に変な音を発するので結構欲しい。

映画化?

『家畜人ヤプー』映画化の動きがあるのを知る。監督もスポンサーも公募で、公式サイトのカウンターの数字がいまだ8616だったりして、とても心許ない。「制作を断念する場合には、全額返却いたします」ってのも書いときゃいけないことなんだろうけどなんだか…

昨日の購入

北森鴻 『狐罠』(講談社文庫) 高橋源一郎 『虹の彼方に』(新潮文庫) 鳥居鎮夫 『夢を見る脳 脳生理学からのアプローチ』(中公新書)

北森鴻 『狐罠』(講談社文庫)

裏表紙の説明では骨董の世界を舞台とした古美術ミステリということになっているけれど、ミステリというよりかは贋作を用いた「目利き殺し」のコンゲーム小説で、ミステリとしての要素はさほどなく、いささか無理に殺人事件を絡めたような印象がある。ただ殺…

筒井康隆 『パプリカ』(中央公論社)

数日前に読了。 筒井康隆が「夢」というテーマで書いたわりには実験的要素が少なく、娯楽色が強い。 読む前に勝手に期待していた夢への特別な考察や、新たな解釈といったものは特になく、第一部の夢探偵パプリカによる治療法は、ユング流の夢分析と大差ない…

北森鴻 『花の下にて春死なむ』(講談社文庫)

昨日読了。 適度によく出来た連作短編ミステリ。連作ミステリといっても、舞台と登場人物が共通する程度で、連作としての大きな仕掛けがあるわけではない。軽く読む分にはちょうどいいけれど、じっくり読むとなると軽い不満がいくつも残る。「詰まらん」とか…

筒井康隆 『文学部唯野教授』(同時代ライブラリー)

中学のころに読んでいて、ドタバタ部分は結構憶えていたけれど、講義のところは「現象学」あたりから今読んでもわからなくなってきたくらいだから、当時はチンプンカンプンだったはずで、あるいはもしかしたら読み飛ばしていたのかもしれない。既読感がある…

一割引

木金土曜日に買い物すると、その週の日曜日だけ使える一割引のクーポン券をくれるスーパーがあって、米などの少々高い買い物をするときは、このクーポン券を貰ってから、日曜に買うようにして、二日前に米を切らしたので、金曜、土曜を、パスタと焼きそばで…

下校の時間

横断歩道の向う側に小学生の一団がいて、下校の時間に帰宅するなんて、まるきり小学生並みだな、などと思っていると、信号が青へと変わった途端に、一団のなかで一番年長らしい、とはいってもまだ四年生ぐらいの男の子が「おい、バルセロナ!」と突然わけの…

今日までの購入

小林秀雄 『Xへの手紙・私小説論』(新潮文庫) 萩原葉子 『蕁麻の家』(新潮文庫) 萩原葉子 『花笑み・天上の花』(新潮文庫) 半村良 『夢あわせ』(文春文庫) 福永武彦 『塔』(講談社文庫) 矢野健太郎 『数学の考え方』(講談社現代新書) 「小説の方法 …

中村真一郎 「小説の方法 ―私と『二十世紀小説』―」(集英社)

概論的なものでなくて、作家である中村真一郎自身の方法の模索の解説のようなもので、作者自身の読書体験記のようであり、読みやすく取っつきやすかった。フランス現代文学史のような側面もあって、フローベールの文体は「描写」であり、スタンダールは「分…

キャベツ畑でつかまえて

キャベツを一枚一枚剥いていて、ふとキャベツの形が脳味噌に似ていることに気づき、なんだか脳味噌を一枚一枚剥がしているような気分になってしまって、なんとも気持ち悪かった。 今日のこととは多少違うことだが、想像力の働きようによっては、料理はとても…

本日の借本

小田切秀雄 『文学概論』(勁草書房) 外山滋比古 『文学の方法』(大修館書店) 中村真一郎 『小説の方法』(集英社) 中村光夫 『小説とはなにか』(福武書店) 蓮實重彦 『小説論=批評論』(青土社) 矢本貞幹 『文学技術論』(研究社) 鑪幹八郎 『夢分…

本日の購入

北森鴻 『花の下にて春死なむ』(講談社文庫) 保坂和志 『プレーンソング』(中公文庫)

北森鴻 『凶笑面 蓮丈那智フィールドファイルⅠ』(新潮文庫)

民俗学とミステリは相性がよさそうだと読む前は思っていたのだけれど、実際に読んでみると、似たもの同士であるだけに、双方のバランスを上手く取るのは難しいようで、民俗学の方面が面白そうであれば、作中で起きる事件への興味が薄れ、事件への興味のほう…

映画の日

毎月一日は映画の日。ということで黒沢清監督の『叫』を見に行こうと思ったのだが、大阪では三月三日からの公開だったので、ひとしきり心のなかで悪態をついたあと、久しぶりに図書館に行ったりした。 小説の感想をこうやって書きながら、小説を語る言葉の欠…