2006-05-01から1ヶ月間の記事一覧

解体工事

いましがたこの日記のタイトルを「解体工事」としようと、「かいたいこうじ」と打って変換したところ、「懐胎浩二」と出た。浩二は男性なのだから、懐胎したら大変で、おそらくこの浩二は石坂浩二のことだろう。『犬神家の一族』の再映画化についてどこかで…

本日の読書

後藤明生 『壁の中』(中央公論社)271/566。 立花種久 『鳥獣図鑑』(『喪われた町』れんが書房新社) 『鳥獣図鑑』のノンブルの横に記された「鳥獣図鑑」というタイトルの「鑑」が左に九十度倒れていて、今まで見たこともない難しい漢字のように見えた。こ…

五月の夜

真夜中に、自転車に乗って堤防の上を走っていると、無数の黒々としたものが、こちらからあちらへとずらずらとぶらさげられていて、それがまるで吊るされた人影のように見えて寸刻ぎょっとするも、あれは夕方見たばかりの、いまだ仕舞われない鯉のぼりなのだ…

本日の購入

黒井千次 『星からの1通話』(講談社文庫) 山田正紀 『少女と武者人形』(文春文庫) ローデンバック/窪田般彌訳 『死都ブリュージュ』(岩波文庫) H・ガスター/矢島文夫訳 『世界最古の物語バビロニア・ハッティ・カナアン>』(教養文庫) 各百五円。

ここ数日の読書

古井由吉 『あなたのし』(『椋鳥』中公文庫) 古井由吉 『あなおもしろ』(『椋鳥』中公文庫/読了) 西舘好子 『修羅の棲む家』(はま出版)少し。 後藤明生 『壁の中』(中央公論社)154/566。

曇天の五月

五月も半ばだというのに変に肌寒く、いまだ仕舞われずにいる堤防にわたされた無数の鯉のぼりが、曇り空のもとでだらりと萎びたように垂れ下がっている様がやけに侘しいように思えた。

本日の借本

後藤明生 『壁の中』(中央公論社) 後藤明生 『しんとく問答』(講談社) 立花種久 『喪われた町』(れんが書房新社)

本日の購入

堀田善衛 『橋上幻像』(集英社文庫)

ここ数日の読書

古井由吉 『痩女』(『椋鳥』中公文庫) 松浦寿輝 『ひたひたと』(『花腐し』講談社文庫/読了) 立花種久 『季節はずれ』『スイートホーム』(『喪われた町』れんが書房新社)

中央図書館

大阪府立中央図書館に行く。最寄り駅の荒本駅までだと六百七十円もかかるが、一駅前の長田までだと四百八十円で済むので、一駅歩くことにした。一区間で百九十円も運賃があがるのは長田から地下鉄が近鉄けいはんな線に乗り入れる為。それにしても普段、JR京…

本日の読書

古井由吉 『咳花』『牛男』 (『椋鳥』中公文庫)

古井由吉 『咳花』 (『椋鳥』中公文庫)

冒頭の「――咳の中に仏がいる。」という一行に、あっと思う。つい先日似たようなことを考えたというか、体験した為だ。 咳き込んだ拍子に、口のなかから何か飛び出て、アスファルトの路面にぶつかりカチンと音を立てた。歯でも折れたかと、少し焦ってよく見て…

なか卯

家のわりと近くになか卯が新しく出来ていたことに気づく。そう思い行ってみたところ、そう新しい店でもない気がした。高速道路の向こう側の普段ほとんど通ることのないところにあって、しかも高速道路のこちら側からは丁度高速道路の橋桁の後ろに隠れてほと…

本日の読書

古井由吉 『子安』(『椋鳥』中公文庫) 「活動家」や「同棲」なんて言葉が出てくると、それだけでもうべたりとある特定の時代に貼りついてしまって、やけに古めかしく思えてしまう。 かつて「活動家」であった青年たちも、敵にまわしていた世間のなかをした…

わけわからん

コンビニエンスストアの前で自転車に跨ったまま話し込んでいる高校生たちがいた。 「わけわからんゆーたら、CDもわけわからんよな」 「そーやCDもわけわからんわ」 「あんなうすーいちっこーいののなかに、なんであんなようさん詰まっとるんやろ」 「ビデオ…

本日の読書

古井由吉 『親坂』(『椋鳥』中公文庫) 複雑怪奇を極める男と女の話。 女を抱きにいく度に語り手の家に預けられる幼い娘の描写がなにやら恐ろしいほどで、最後の語り手の台詞にはゾォっとしてしまった。下手なホラーよりよほど恐ろしく、よくもまぁこんな話…

この雨降り特有の匂いは、雨そのものの匂いなのか、それとも雨に濡れたアスファルトの匂いが立ち昇ってくるものなのか、なんてことを少し考えたりした雨降りの日曜日。

ここ数日の購入

古井由吉 『椋鳥』(中公文庫) ネット古書店で購入。

ここ数日の読書

古井由吉 『椋鳥』(『椋鳥』中公文庫) 古井由吉 『槿』(福武文庫)刊行された年はそう違わないのに、『槿』に比べて、『椋鳥』が随分と読みやすいのに驚いた。先日読み終えた短篇集『夜明けの家』(一九九八年刊行)も、『槿』(一九八三年刊行)に比べて…

小人閑居

のんべんだらりと寝そべっているのにも飽いてしまって、唐突に部屋の掃除など始めたはいいが、掃除機を出してきて組み立てるのが面倒で、塵取と箒で掃いてまわるというちぐはぐさ。不善は為していないが、小人閑居するとロクなことがない。

祝日

無為虚日。

本日の読書

松浦寿輝『花腐し』(『花腐し』講談社文庫)

松浦寿輝『花腐し』(『花腐し』講談社文庫)

こういったことが書きたい、ということはよくわかるのだけれど、文章も物語もほとんど深化していかず、表層で固着してしまっている印象を受けた。思うに、字面美しげに流れる文章に、切実さが欠けていて、どうしても頭の中だけでこねくりまわして出て来たも…

春はまだか

昨日は暖かさを通り越し汗ばむほどだったのに、今日は一転して肌寒い一日で、もう五月だというのに、春らしい陽気な日など数えるほどしかなかったではないか、と恨めしく思う。

本日の購入

松浦寿輝 『花腐し』(講談社文庫)

本日の読書

アイザック・アシモフ/小尾芙佐訳 『ロボットと帝国』(早川書房)読了。 松浦寿輝 『花腐し』(『花腐し』講談社文庫)少し。

野坂昭如

少し立ち読んだ野坂昭如の『東京小説』(講談社文芸文庫)が面白そうだったのだけれど、定価千三百円だったので購入を断念する。講談社文芸文庫にはお世話になっているけれど、定価が千円を超えるのは辛い。少し立ち読んだ限りでは疾走感のある饒舌な調子で…

アイザック・アシモフ/小尾芙佐訳 『ロボットと帝国』(早川書房)

『鋼鉄都市』『はだかの太陽』『ロボットの夜明け』に続くシリーズ四作目。今回はSFミステリではなくて、ファウンデーションシリーズへの橋渡しとロボットものの集大成という感じで、タイトルにもなっている「帝国」とは当然のちの「銀河帝国」のこと。イラ…