2007-01-01から1年間の記事一覧

今週の購入

『早稲田文学0』(早稲田文学会) 木曜深夜に勢いで注文して月曜日に届く。 表からも裏からも読めるダブル巻頭使用。表紙がペランペランですでにまくれてしまっている。芥川賞候補作の『わたくし率 イン 歯ー、または世界』のみ読了。ある種の企画ものなので…

芥川賞候補を読む

ということをやってみようかと思ったはいいが、まだ一作しか読めていないし、そもそも過去の芥川賞受賞作からしてロクに読んでないのだった。読んだ中で一番最近の受賞作が2000年の堀江敏幸『熊の敷石』になっちゃうくらいで。 ついでだから全部数えてみたら…

はてなスターをつけても無敵になんてなれない

なんじゃこりゃ、とポチっとしたら、消せない星がついてしまった。 というよくある話。

久世みずき(磯光雄原作)『電脳コイル THE COMICS』(『ちゃお』八月号別作付録)

かなーり恥ずかしかったのだけど付録に別作付録のために『ちゃお』を購入。「本作は、磯光雄原作 脚本 監督のTVアニメーション『電脳コイル』をもとに、作者久世みずきが独自の解釈を加えてコミックスとして書き下ろしたもので、同TVアニメーション『電脳コ…

『電脳コイル』第九話「あっちのミチコさん」(ETV)

お話が大きく動き出した感のある九話ですが、今回一番気気になったのは、ミチコさんが「階段を降りても降りても一階に着かない」ということ。オープニングで主要登場人物が階段を登るシーンがあり、第一話にひっそり出ていた「大黒式階段をあるルートで辿る…

天沢退二郎 『乙姫様』(青土社)

詩集なのだけど幻想的な掌編集として読んでしまう。小説的な散文詩と詩的な小説の差はまるで曖昧としていて僕にはほとんど区別がつかない。小説家が書いていれば小説で、詩人が書いていれば詩ということなのだろうか。 廃船になった潜水艦の地下街にマスクを…

文化果つる街

地元の図書館には『文藝春秋』以外の文芸誌は置いていないというそんな有り様なのでした。

奥泉光 『モーダルな事象』(文藝春秋)

これは傑作なんじゃないか、と途中までは思っていたもの、元夫婦刑事パートがミステリとしていささか退屈で(人物描写は楽しいのになぁ)、手掛かりを拾い集めるためだけに全国を移動しているようで、出来の悪いRPGのアイテム探しのごとくになってしまっ…

第137回芥川龍之介賞候補

円城塔 「オブ・ザ・ベースボール」(文學界六月号) 川上未映子 「わたくし率 イン 歯ー、または世界」(早稲田文学0) 柴崎友香 「主題歌」(群像六月号) 諏訪哲史 「アサッテの人」(群像六月号) 前田司郎 「グレート生活アドベンチャー」(新潮五月号…

ジェラルド・カーシュ 西崎憲 他訳 『壜の中の手記』(晶文社)

出来の良い短篇集だと思った。だだ、すんなりと受け入れることの出来る既存のパターンを上手に組み合わせたものを出来が良いというように感じるのであり、安心して読め、腑に落ちる度合いが高ければ高いだけ、似たようなものを読んだことがあるような気にな…

『電脳コイル』第八話「夏祭り、そして果たし合い」(ETV)

イリーガルが電脳ペットの幽霊みたいなものなのだとしたら、前回書いたデリートされた情報が蓄積されている電脳物質にとってのあの世のようなものが本当にありそうだ。イサコの髪に人の顔が浮かび上がっていたのもそういった電脳霊の一種なのだとしたら、人…

『電脳コイル アクセスガイドBOOK』(アニメージュ編集部・編)

キャラクター紹介、エピソードダイジェスト(九話まで)、設定資料(キャラ設定、大黒市マップ、美術ボード、キーワード解説)、監督インタビュー(4P)、メインキャストインタビュー(Q&A形式の短いもので2P。ヤサコ、イサコ、京子、ハラケン、フミエ、ダ…

押井守 『Avalon 灰色の貴婦人』(メディアファクトリー)

映画『Avalon』の後日譚というよりか、主役を変えての同じ物語の反復。自室で飯を食うところぐらいから主人公が千葉繁に思えてくる。 まぎれもないウィザードリィ小説であるのだけど、それ以上に銃火器の描写が凄まじく、だいたい三分の一くらいは銃火器の描…

岡田淳 『ようこそ、おまけの時間に』(偕成社)再読

久しぶりの再読で、初読時の気持ちを懐かしみながら読んだ。十二時の直前に鉛筆をカッターナイフに持ち替えたり、「おまけの時間へようこそ」という校内放送が突然流れたりしないだろうかと思ったりしたものだった。当然のことながら、当時読んでいた本の中…

本日の借本

我妻洋 『社会心理学諸説案内』(一粒社) 天沢退二郎 『乙姫様』(青土社) 岡田淳 『ようこそ、おまけの時間に』(偕成社) 岡田淳 『選ばなかった冒険 ―光の石の伝説―』(偕成社) 押井守 『Avalon 灰色の貴婦人』(メディアファクトリー) 奥泉光 『モー…

岡田淳 『選ばなかった冒険 ―光の石の伝説―』(偕成社)

岡田淳meetsウィザードリィ的迷宮児童文学。 「選ばなかった冒険」というタイトルの通り主役の二人が能動的に動き回らないので物語的盛り上がりに欠けるのがちょっと残念な点で、もう少し分量があってもよかったんじゃないかな、と思うのだけど、一冊に収め…

マルセル・プルースト/鈴木道彦訳 『失われた時を求めて 3 第二篇 花咲く乙女たちのかげに Ⅰ』(集英社文庫)

一冊挟んで今月二冊目の『うしとき』読了。他にも色々併読していたので『うしとき』ばかり読んでいる感覚はあまりなかった。ところで『うしとき』って結構使われそうで使われてない略称だよね。仏文科の学生が使ってたりしないやろか。 前巻では見られなかっ…

『電脳コイル』第七話「出動!!コイル探偵局」 (ETV)

タイトルは「出動!!コイル探偵局」 だけど、コイル探偵局は見事なくらいに活躍してない。ペット見つけたの京子だし。京子はコイル探偵局名誉メンバーとかにしてあげて、取りあえずヤサコたちの活動に参加させてあげるのがいいんじゃないだろうか。んで「君…

三日前くらいの購入

山本明利 左巻健男 編著 『新しい高校物理の教科書』(講談社) ということで高校からやり直してみたり。方程式の解き方からして怪しいので中学数学からやり直さなければいけないかもしれない。

『serial experiments lain』第六話〜第十三話

第九話の情報過多に脳味噌が焦げ付いてしまったりする。 ヴァネヴァー・ブッシュの原始ハイパーテキストシステム「Memex」にはじまり、テッド・ネルソンの「ザナドゥ計画」、ジョン・C・リリーの「地球暗合制御局」、シューマン共鳴や、地球が一つの巨大なニ…

本日のうしとき

第二篇のⅠ401ページまで。オデットが着ていたという「日本の部屋着」ってのは着物のことなのかな。オデットの東洋趣味に関しての描写は過去にもあったけど、着物まで着ているとか書かれていなかったような。僕も日本人ですから、海外の小説で日本について描…

クッキー作り

クッキーとドーナッツって材料まったく一緒なんでないの。ということでレシピもろくに見ずに作ってみたところ、味の薄いクッキーもどきが出来上がってしまった。ドーナッツよりもバターも砂糖も多くいれなきゃ駄目みたい。クッキーまではまだセーフだけど、…

『電脳コイル』第六話「赤いオートマトン」(ETV)

すっかり『電脳コイル』ファンサイト化しつつある昨今ですが、一挙再放送も当然一挙に見たわけで、何度も見てるはずなのに、今回初めておっと思ったことがあった。 第二話での夢のシーンの直前、デンスケにおそらくイリーガルによると思われるCドメインへの…

今週の購入

マルセル・プルースト/鈴木道彦訳 『失われた時を求めて 3 第二篇 花咲く乙女たちのかげに Ⅰ』(集英社文庫) マルセル・プルースト/鈴木道彦訳 『失われた時を求めて 4 第二篇 花咲く乙女たちのかげに Ⅱ』(集英社文庫) ネット古書店で購入。数日前に到…

野矢茂樹 『哲学の謎』(講談社現代新書)

「意識と実在」の問題や「時の流れとは?」といった根源的な問いかけと思索が平易な言葉でなされているのだけど、どうせならば、「明確な答えがあるわけでないことを直感しながら、何故形而上学的な問いかけを人は行ってしまうのか」ということも考察して欲…

隊長が元ヤンでした。

あーつまりここ数日体調不良でグタグタしてました。『lain』を一挙に最終話まで見た後からなんだかおかしくなったので、制作者側も意図していないいけないサブリミナル効果でもあるんじゃないかと思ってしまうのは、ロズウェル事件とかも出てきて、後半グッ…

『ローズ・イン・タイドランド』(2005/テリー・ギリアム監督)

『lain』が借りられたのでついで借りてくる。 現実の中に空想を持ち込むのは、子どもにとってそれほど特別なことではなくって、狂喜と紙一重だとしても、当事者であるローズにとってそれは日常的な出来事であり、その空想とごちゃ混ぜになった日常が崩れ去り…

『serial experiments lain』第一話〜第五話

ようやく借りれる。『電脳コイル』の通常空間に電脳空間を重ね合わせているという世界観が今後どんなテーマに発展していくのか(あるいはまるきりしないのか)は、まだよくわからないのだけど、『lain』の方は、最初からリアルワールドとワイヤードという区…

『電脳コイル』第五話「メタバグ争奪バスツアー」(ETV)

「メタバグ争奪」ってなってるけど、メタバグ採ってたのダイチたちだけだから、争奪とは言わんよな。 イサコは一匹狼タイプかと思いきや案外権力志向があったようで、完全に女王様と化しておりました。そしてヤサコがチクチク黒い。 ハラケンがサッチーを従…

大石真 『教室二〇五号』(講談社文庫)

『電脳コイル』のおかげで自分の中で児童文学ブームが起こってます。 受験戦争とか鍵っ子とか交通事故とか高度成長期の真っ向ストレートな児童文学。勝手にファンタジーの要素があるはずと思っていたのにファンタジー要素は欠片もなかったのだけど、家出とい…